毛々怪々

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ほら、僕って片付けられない男じゃないですか?片付けられない男って言うと、泣かした女は数知れず、捨てた女は星の数みたいでカッコイイけども、残念ながら違うんです。   とにもかくにも部屋が汚い。そこら辺に散らばる物、物、物。上手く形容できないけども、とにかくすごいんです。脱ぎっぱなしの服やらスボン、飲みかけのペットボトルのお茶、これが入ったら今日1日超ラッキーだなんて思いながらゴミ箱に投げて超不幸な1日になったティッシュ、鼻かんだティッシュ、抜いた眉毛をくるんだティッシュ、ちょっと怪しげな香りを放つティッシュと、とにかく汚い。   僕は実家暮らしで、家族全員A型なんですよ。だから、家ん中は綺麗、それぞれの部屋も綺麗、綺麗でなければ日本国民に非ずみたいな風潮が見られるほど、みんな部屋が綺麗です。でも桑原家の異端児の僕の部屋は超カオスな状態。漢字2文字で表すならば『混沌』と言う言葉がしっくりきます。   まぁ、そんな汚い部屋で毎日を過ごす僕なんですが、先日部屋でいつものように、お気に入りのロッキングチェアーに腰掛けながら優雅にクラシックを聞いていた時の事です。ふとコタツの上に目をやると、そこには落ちていないはずの物が落ちてるんです。   それは…毛。   毛と言っても色々とありますよね。眉毛やら鼻毛やらスネ毛、隣の家に住むみっちゃんのサラサラストレートヘヤーやら、まぁとにかく色々な毛があります。しかし、その毛は先ほど挙げた毛ではない、しかしみなさんの身近にある毛。えぇ、俗に言うアンダーヘヤーってやつです。   つづく。
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