タバコ

3/5
前へ
/37ページ
次へ
 その夜、流石にヤバイと思った八戒と悟浄は、三蔵と喧嘩中の悟空に話を持ちかけた。 「あの煙草の数、異常だと思いませんか?」 「…うん」 「オマエ、理由判ってる?」  二人に言われて悟空は俯き、小さな声で言った。 「俺と喧嘩してる…から…」  少しの沈黙。 「…差し支えなければでいいんですが、何故喧嘩してるのか教えて頂けませんか?」  控えめに、八戒が訊ねる。 「・・・・・・」 「言えねぇの?」 「悟浄」  柔らかくではあったが、八戒が悟浄を制する。 「……だ」 「あ?」 「…喧嘩の理由、覚えてないんだ」 「はぁ!!?」  あまりのマヌケな言葉に、悟浄は思わず大きい声を上げた。 「なんか、すっげぇムカついて、イライラしてて、ずっと三蔵のことムカツクムカツクムカツクーッ!! って思ってたら、なんで喧嘩してたのか忘れちゃったんだ」  申し訳なさそうに、詳しく説明をした。 (ありえねぇ…) 「そうですか…じゃあ、三蔵の為にも仲直りして下さいませんか?」 「…うん、やってみる」 「俺達まで気まずくて、肩凝っちまうんだよ。この猿」  悟浄が肩に手を当て、首を鳴らす仕草をする。 「あ! 猿ってゆーな!! エロ河童!!!!」 「エロは今カンケーねぇだろ、バカ猿!!!」 「バカってゆったなー!! 赤ゴキブリエロ河童ぁ!!!!」 「は、テメーふざけんなよ!」
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

477人が本棚に入れています
本棚に追加