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「さんぞぉー!!」
ぱたぱたと慌ただしく悟空が駆け寄って来る。
「…なんだ。メシならまだだぞ」
視線は手元の書類から動かさずに、あくまで冷静に言った。本当は少し嬉しがってる自分に気付いてはいたが、そんなのは俺のガラじゃないだろう。
「ちがうっ!!メシじゃないよ!!」
頬を思い切り膨らませて怒る悟空。
「これっ!こうかんのーと!やろうっ!!」
キラキラした目の悟空が、満面の笑みでノートを突き出している。
「なんだそれは…」
「だから、こうかんのーとだってば!!」
「それは判っている。何の為にそんなもの…」
毎日一緒にいるじゃないか。俺が仕事中だってなるべく会話はしてやっているつもりだ。…例え噛み合わなくとも、だ。
「だってね、はっかいの兄ちゃんが、おたがいのことをもっとよく知るためには、こうかんのーとをやるのがいちばんだって…。そしたら、さんぞーのこと、もっとよくわかるって言ってた!!」
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