優しい人

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…何が。 何がオカシイんだ。 互いに距離を置いてから数ヶ月。 …オカシイのは俺だと判った。 悟空が傍にいないと不安で不安で堪らないのだ。 あの懐っこい笑顔が。 あの大きな金瞳が。 あの小さな体が。 アイツが傍にいないと息が出来ない。 酸素に溺れてしまう。 自分で自分の首を絞めて、何か錯覚に陥っていた。 俺には悟空が必要だった。 自分を責めながら、全てを悟空に打ち明けた。 だが、こともあろうか悟空は俺を責めなかった。 ただ、俺の胸に抱き付いてキツクキツク腕をまわしてきた。 苦しくて酸素が吸えなかった。 だが確実に、俺はまた息が出来るようになった。 酸素に溺れずに俺は息ができるようになった。
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