悪の組織

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横にいる青木が不審な顔をしたが無視した。 (3日間しか圭介とは一緒に居ないけど、圭介は謝られるのが嫌いなんだ。いや、違う。圭介は自分の行動に他人が口を出すのが嫌いなんだ。自分が選んだことは自分で責任を取りたいんだ) ライカは高崎の肩を見る。 その肩は苦しそうに上下に動いていた。 オートパイロットで痛みは感じないが、あばら骨が折れているため、普通なら息を吸うのも辛いはずなのだ。 ここでライカの視線に気付いたのか、高崎が後ろを振り向き二人の眼が合った。 「どうした?」 「あ、えっと」 ライカは言葉が見つからず、どもってしまう。 (何か言わなきゃ) そう思って口を開こうとしたが、その瞬間 「ライカ副主任に近付くな」 青木が高崎とライカの間に立った。 (香織?) 「……」 高崎の顔が一瞬、本当に一瞬歪んだが、すぐに苦笑いになったのをライカは見た。 この青木の言葉に斎藤とNOAの何処にテレポートするか話していた三崎の肩がピクッと動いたが、彼女は拳を握って話し合いを続ける。
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