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「だーかーらー! 撃たれた君をたまたま私が見つけて、助けて、どこに置いとけばいいかわからないから、私の家に持ってきたの!」
ライカのテンションはどんどん怒りの方向に加速していく。
「まあまあ、とりあえず落ち着こうか。何はともあれとりあえず落ち着こう」
高崎は両手で近づいて来るライカの肩を押さえた。
「私の至福を返せ! 君を助けたのに酷いよ!」
ライカは両手で高崎の二の腕をポカポカと殴った。
(こいつ、子供みたいだな)
何故か高崎は少し笑ってしまった。
*
少しして、高崎はようやく落ち着いたライカと机を挟んで、向かい合って座っていた。
ライカはまだ、少し肩で息をしている。
「で、君は私に何を聞きたいの?」
(ようやくまともに会話が出来るな)
そう高崎は思いながら、口を開いた。
「じゃあまず一つ。ここは何処?」
「だから私の家」
(まあ、それは良い。大事なのはここからだ)
高崎は質問を続けた。
「分かった。こっからが本題。何で俺は生きてるの?」
その言葉にライカはまさにキョトンという擬音が似合う仕種で小首を傾げた。
「君は変な事ばかり聞くね。さっきから言ってるでしょ。君が生きてるのは私が助けたからだって」
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