そして彼はため息をつく

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(言い方が悪いのか? 俺の聞き方が悪いのか?) 「……言い方変えるよ。何で間違いなく胸を撃たれて、致死率100%だった俺が今ここでお前と話せてるんだ?」 この言葉でようやく、ライカは高崎の聞きたいことが分かったようだ。 するといきなりライカは表情を自信に満ち溢れる笑顔に変えた。 (ん?) 「ああ、君を助けた方法ね。なるほど君はそれを知りたかったのか」 「そうそう」 相槌を高崎が打つと、ライカは何故か突然その場から立ち上がり、猫のような笑みを顔に浮かべ、 「フフフ、それはね至極簡単、私だって良くわからないオーバーテクノロジーを使ったからなのだ!」 悪の親玉のようなことを胸を張って、自信満々に言い切った。 (…………うん。少し落ち着こうか高崎圭介。今こいつが言った事を冷静に考えてみようか高崎圭介) 高崎はその言葉を胸中で反芻し、咀嚼し、自分なりにかみ砕いて、整理し、理解して、そして思考が固まった。 (………………は?) 想像してみて欲しい。致命傷を負った自分が何故か生きていて、自分を助けた少女に方法を聞いたら、良くわからないオーバーテクノロジーを使った! と、断言される場面を。 思考が固まるのも当然だろう。
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