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チャンピオンになった後は訪れるトレーナー達の挑戦を受け続けた。
どのトレーナーも手応えがなくて、こっちの手持ちは一匹も傷つくことなく終わってしまう。
退屈だった。
誰か、俺を興奮させてくれるバトルを……
そう思い、ある日俺はシロガネ山へ向かった。
あそこなら凶暴なポケモンがたくさんいる。
そこの頂上なら本当に強いトレーナーしかたどり着くことはできない。
今の挑戦者よりはマシなトレーナーがやってくるだろう。
彼らなら俺を満足させてくれるだろうか。
そんなふうに俺がシロガネ山に籠もるようになってから、しばらく経った。
思っていた通り、そこそこできるトレーナー達がやってきた。
けど俺を満足させてくれる奴は1人も現れなかった。俺に負けたトレーナーの中の一体何人が夢を諦めてしまうのだろうか。
哀れだと思った。
俺は、ただの人間だよ。
少しバトルが強いだけ。
俺を1人にしないでよ。
俺を特別扱いしないで…
あぁ、またグリーンとバトルがしたい。
噂によると、彼はサカキがいなくなった後のトキワジムジムリーダーをしているらしい。
あの頃より強くなっているだろうか。
世界でたった一人だけ。
俺にバトルの楽しみを味あわせてくれるのは…
グリーンだけ。
もう一度あのラストバトルみたいに戦いたいな。
最高の舞台じゃなくていい。
草試合でもかまわない。
あぁ、グリーンに会いたい。
だけど、それでもやっぱり俺は満足できないだろう。彼とはもう何度も戦ってきた。
お互い手の内はわかり合っている。
もっと未知なるバトルがしたいんだ。
これっと贅沢な望みかな?
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