命は大切です、護衛隊長

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三人はベッドの上から涙目混じりに俺を呼び止めます。 「違いますよ!買い物に行くだけですから。あなた達に何か食べさせなきゃ元気にもならないでしょ」 もう冷蔵庫が空なんですよ。ただでさえ育ち盛りということでよく食べるんですから。特にイリアとリーシャの食欲は異常ですからね。 「なら……三分で戻りなさい」 「ムリでしょう!20分ぐらいかかりますって普通」 「ごふっごふっ……じゃあ2分にしてやるから」 「リーシャ、あんた意識が錯乱してんだな!もし錯乱してなくて俺にそう言うのならあんたは鬼ですよ!」 「ウル君……お願い。なるべく早く戻ってきて」 「わ、わかった。ルナちゃんの頼みなら5分で戻ります!」 俺はそう言うと駆け出します。 「「なんでルナには甘いのよ!」」 イリアとリーシャの不機嫌そうな声が聞こえましたが俺はスルーします。あの二人には適当に何か食べさせとけば機嫌直るんで大丈夫です。 「ハアハア……」 それにしてもハードです。昨日から一睡もしてない上に看病につきっきり、さすがの俺でもけっこう死にそうです。ってかあの娘達基本的にワガママですもん。……まあ本当は良い娘達だってのは承知してますけど。 「はあはあ……でも」 しかし彼女達は今あれだけ騒いでいるので元気に見えますが実際は38度を越える高熱ですからね。 辛いに決まっています。なんとか早く元気になれるようにここは俺が頑張らなければいけないところです。 ―― 普通なら20分はかかる買い物を7分という奇跡的な数字に抑えた俺の頑張りはもちろん評価されるわけもなく、今俺はキッチンにて調理を開始しています。
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