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でも確かに……今考えると俺はけっこうラッキーだと思われることを経験している気がします。
まず小さい時、森に勝手に入って崖から落ちても助かったりとか(もちろん骨折あり)。
森でクマさんと出会って襲われそうになったけどなんとか逃げきったりとか。
父親が適当に取ってきたキノコを食べたら笑いが止まらなくなったりだとか。
俺は案外ラッキーなのかも……んな訳ありませんね、寒気がします。
まず若干19歳にして死の恐怖を何回も体験してるだけでアンラッキーすぎます。吐き気がします。
「まあとにかくリビングに来て。朝ご飯作ってあるから」
若干涙目になった俺は朝飯を食べる為にリビングへと向かいます。
「なあ母親よ……。あんた三分前に俺になんて言ったか覚えていますかね?」
「た、確か……貴様らに明日を生きる資格はねぇ!だっけ?」
「いや、どんな状況になったら朝の一般家庭でそんな台詞がでてくんのさ!物騒すぎるよ!!」
俺はかなりイライラしながらそう言います。ちなみに朝ご飯作ったからって言われてテーブルに着いてみたら、あるのはタ○ゴポーロだけでした。しかも開けかけ。
「いや、朝はやっぱりタマゴかなってね」
そんな母親の笑顔を前に、俺はあえて何も言わずにタ○ゴポーロを口にツッコミ、髪を適当に調え歯磨きをすまし玄関のドアを開きます。
「いってらっしゃーい。頑張るのよ~」
「うっさい!この馬鹿母親。今度はせめてシケッてないのにして!」
そうして俺は家を飛び出したのでした。
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