プロローグ……みたいなやつ

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少しはワルキューレのことを知って頂けただろうか。わかって頂けたのなら次の質問へと移ることにしよう。 君は“断罪の番人”という言葉を知っているだろうか。 断罪の番人を知らない者もワルキューレ同様この世界にはいないだろう。 なぜならばこの断罪の番人こそがこの世界を脅かす原因そのものであるのだから。 そうワルキューレを陽と考えるのならば断罪の番人はまさしく陰である。 故に彼女達が世界を救う者ならば断罪の番人は世界を滅ぼす者。 事実10年前、一夜にしてシルビアという小国が断罪の番人達により滅ぼされたということは誰でも知っているだろう。 そもそも断罪の番人という物は詳しくはわかっていない。 ただわかっていることは彼らは私達の想像を超える強大な力を持ち、そして人間ではない異形の物だということだ。 それは植物に近い形態をしているものもいれば動物に近いものも……もちろん人間に近い形態の物も稀ではあるがいる。 彼らのその強大な力の前では人間の持つ兵器……つまり科学の力など意味を成さなかったのだ。 シルビア周辺に集結させた当時の最高戦力は全て塵となり、そして海へと沈んだ。 その際彼らの指導者と思われる者が語ったこの言葉も、ワルキューレ同様知らない者はいないだろう。 「残念だが今はどうやらその時ではないらしい。だが忘れるな、俺たちは再びこの世界を恐怖で震えあがらせることになる。この世界の終焉は10年後に必ず訪れる……俺たちの手によってな。今度はこんな小国ではなく世界全てを闇に染める」 そして彼らはその焼き付くされ血に染まったシルビアから姿を消した。そして言葉通りその姿を見せることはなかったのだ。
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