プロローグ……みたいなやつ

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その事件後、世界中は恐怖に沈んだ。確かに指導者を含む幹部と呼ばれる強大な力を持つ番人達は消えたが、それでも何年かにに一度は断罪の番人(おそらく下っぱであろう)が出没したのだ。まるでこの恐怖を忘れるなと言わんばかりに。 そんな恐怖に縛りつけられた人間が多くなるにつれ治安は乱れ、かつてないほどの闇の時代の幕開けとなったのだ。 事実世界政府もその対策に手をあぐねていた。この世界最大の国家であるロッドファリスを中心に5つの大陸から大小89もの国の代表による全面協力体制もむなしく、その強大な力に対抗出来るだけの力を見出だせずにいた。 しかしその闇の中に一筋の光が差し込むことになる。 それこそワルキューレの存在だったのだ。 ワルキューレとなった彼女達自身も何故かはわからないらしい。ただある日突然、それはまるで神のイタズラであるかのように彼女達は不思議な力を手にいれたのだった。シルビア消滅の日から8年ほど後のことだった。 彼女達の力はあの断罪の番人に対しても有効だった。その能力は太刀打ち出来なかったはずの彼らを滅することが出来たのだ。 この事実に世界中は踊った。 そしてその期待に応えるかのように彼女達は次々と断罪の番人を滅していったのだった。 世界政府ももちろん、まだ若い彼女達だけに全てを背負わせるような真似はしなかった。 10年という歳月は信じられないほどの技術力の向上をもたらしたのだ。 その技術力は人々の生活を便利にし、世界はより平和で暮らしやすい世界になったのだ。ワルキューレにはもっぱら満たないが、それでも断罪の番人にも効力のある様々な戦力をついに完成させたのだ。 人々はその今まででは考えられなかったことが科学の発達によって出来ることを喜びを込めて魔法と呼んだ。そしてそれを行う道具のことを魔導具と呼んだのだった。
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