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ぴぃが俺ん家に来てくれた。 ある程度、荷物は送ったから、部屋ん中はほとんど何もない。 部屋に入るなり、 ぴぃは 「うわっ。何もねぇじゃん。 まじで亮ちゃん戻っちゃうんだな…。」 って、寂しそうな顔で言ってくれた。 ホンマはな。 ぴぃと離れたくないねん。 やけど、このままやと俺、耐えられへんねん。 絶対、 ぴぃに告白してまう。 ぴぃを困らせてまう。 離れたくないけど、 離れなあかんねん。 「明日の朝、新幹線で帰るわ。 ぴぃ、今まで仲良くしてくれてありがとな。 お前とつるめて、めっちゃ楽しかったで。 落ち着いたら、また連絡してもえぇか?」 「当たり前じゃんっ。 いつでも連絡してきてよ。 関西だろうが沖縄だろうが、すぐ飛んでくし。」 ニカッと歯を見せて微笑んだ。 「おおきに。 ぴぃ、元気で頑張りや。」 俺もぴぃに微笑みかけた。 しかし、ぴぃの顔はだんだん暗くなってって、 そのうち泣き出してもうて。 俺は訳分からんくなって、ぴぃの頭を撫でた。 「どしたんや…?」 「亮ちゃっ…。 行かないでよっ…!! 俺っ…離れたくない…っ。」 我慢できひんかった。 俺は、ぴぃを抱きしめた。 ふわっとぴぃの良い香りがした。 柔らかいぴぃの髪。 華奢な身体。 全てが、俺を駆り立てた。
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