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目覚めたのは、僕。不思議な゙それ゙を触る。
触られた感覚と触った感覚は、僕の存在を確定する。
目を開けてみた。
そこにば彼女゙と黒があった。
何かが在るわけではなく、ただただ黒が広がっていて、僕の目にば彼女゙の顔が在った。
「目が覚めた?」
彼女は僕に訪ねたのだろう。僕は理解していたらしく、久しく口を動かした。
「どのくらい゙消えでいたのかな?」
「それは私には解んないよ。」
彼女はそう答えた。
どうやら僕は彼女に膝枕をされているらしく、その温もりに少しづつ実感的な゙感情゙を抱かせる。
「ねぇ、目が覚めた?」
そうもう一度彼女は僕に伝えたが、次に僕が興味を抱いたのば僕と黒゙だった。
「ん…」
躰を起こし、僕が僕を在ることを確かめる。
先ほども触れた躰や腕。何も今は着ていないようだ。
ペタペタ…
歩いてみた。冷たい黒に壁や床と言う概念はなく、でも歩く事は出来る矛盾。
「矛盾するのがまた世か…」
ふと、僕の口癖が声と伝う。知っている、なのに僕には何もない。
「僕は誰?」
声ははっきりと輪郭があるかのように、黒に伝う。
「私にも解んない。」
ようやく僕は、彼女に興味を抱いた。
「君は誰?」
振り向いた其処には、何も纏わない美しく白い肌をした黒髪の長い少女がいた。
また神秘的な彼女の背中には、透き通った青い羽と、歪め浸食するような赤い羽の二対一組の翼が非常に特徴的だった。
そんな彼女が少女な理由は、あどけなさを残したサファイアのような大きな瞳。それは彼女が成人ではなく、されども幼女でもない、だからその中間である゙少女゙なわけだ。
「私には名前は無いよ?
でも、あなたには大切な゙存在゙なんだよ。」
彼女はそう答える。
「使い魔、だね。」
僕はそう思った。だから口を通して、そう伝えたんだ。
「私には解らないよ。」
お決まり文句のように彼女はまた そう 答えた。
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