終わりし路の最果てを越えた始まり

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 複雑かつ単純な話、僕は今゙在る゙のだ。  触れる結った黒髪と、黒地の肌。  それが今の僕だ。  「名前…」  彼女は僕に聞く。  「名前?」  「私には名前がないから、何かつけて欲しい。」  無邪気に笑う彼女は愛らしい。ただ何も纏ってないからこそ、気恥ずかしく感じたので…  「とりあえず何か着た方が良い。」  そう僕は伝えた。  「何が好み?」  「君は其れを分かるだろ?」  僕は知ってるのだ。されども分からぬが僕なのだが…  「分かってるよ♪」  そう言うと彼女は服を纏った。  なんとも変わった白いワンピースだ。何が変わってるかと言えば、民族的なイメージで言えば伝わるだろうか?  そう言う意味での゙変わっだだ。  「着替えたよ、だから名前頂戴♪」  「よし、じゃあ生まれたばかりだから゙雛゙と呼ぼう。」  「わーぃ、ヒナ、ヒナだ♪」  無邪気に彼女はそう喜んだ。  「じゃあ次は貴方の番だね。」  「でも僕のは…」  多分彼女も分かっていたのだろう。  だから…  「「探さないとな」ね」  そう声が重なったんだ。
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