さよならを…………第十三章

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自分の中の重りが取れたように感じた。 憎しみを抱いた時もあった、怒りが沸いた時もあった。 だけど今の言葉で思わず涙が出そうになった。 これで…憎しみも不安も後悔も全て、全てが終わってくれると思った。 「…」 自分から自首してくれると言った。 もう僕がここにいる理由は無い、後はこの言葉を信じて待とう。 そう思って隣の部屋から離れた。 「自首するから」 何度も電話の相手にそう言っていた。 きっと金髪の男が電話している誰かが説得してくれたのだろう。 有りがたく思う。 「…信じてるから」 そう小さくつぶやいて靴をはいて玄関に立つ。 金髪の男の声は最初より大きくなって玄関にも聞こえてくる。 「何回も言わせるなって、ちゃんとするから」 何度も何度も言っていた。 その言葉は僕にも向けられているようにも感じた。 「…最後にもう一回聞いたら帰るか…」 そう思い、目を閉じて耳を澄ませた。 「あはは、わかったわかった」 何だか笑い声も混じっているがこの際構いはしない。 「じゃあ最後にもう一回言うから良く聞けよ?」 そう言って金髪の男は… 「自首…しませ~ん!!」 そう言った。
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