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自分の中の重りが取れたように感じた。
憎しみを抱いた時もあった、怒りが沸いた時もあった。
だけど今の言葉で思わず涙が出そうになった。
これで…憎しみも不安も後悔も全て、全てが終わってくれると思った。
「…」
自分から自首してくれると言った。
もう僕がここにいる理由は無い、後はこの言葉を信じて待とう。
そう思って隣の部屋から離れた。
「自首するから」
何度も電話の相手にそう言っていた。
きっと金髪の男が電話している誰かが説得してくれたのだろう。
有りがたく思う。
「…信じてるから」
そう小さくつぶやいて靴をはいて玄関に立つ。
金髪の男の声は最初より大きくなって玄関にも聞こえてくる。
「何回も言わせるなって、ちゃんとするから」
何度も何度も言っていた。
その言葉は僕にも向けられているようにも感じた。
「…最後にもう一回聞いたら帰るか…」
そう思い、目を閉じて耳を澄ませた。
「あはは、わかったわかった」
何だか笑い声も混じっているがこの際構いはしない。
「じゃあ最後にもう一回言うから良く聞けよ?」
そう言って金髪の男は…
「自首…しませ~ん!!」
そう言った。
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