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小さな大切を守ると誓った。
自首してくれると信じて警察には話をしなかった。
しかも先ほどのスーツの男のようにある程度説得してくれているのも確かだ。
人には誰しも道徳心があるはずだ。
それを信じようと決めた。
なのに思わずここまで来てしまった。
「…」
もう一度手を見る。
「…」
最初は戒めの為に残った傷、だが今は僕の歯止めになってくれた。
この手の痕に気付かなければ僕はどうしていたのだろう…殴っていたのだろうか。
それとも何故自首しないのか聞いたのだろうか…
わからない、わからないが…今は帰るべきだ。
そう思って車を家に向けて発進させた。
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