憎悪…………第十二章

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小さな大切を守ると誓った。 自首してくれると信じて警察には話をしなかった。 しかも先ほどのスーツの男のようにある程度説得してくれているのも確かだ。 人には誰しも道徳心があるはずだ。 それを信じようと決めた。 なのに思わずここまで来てしまった。 「…」 もう一度手を見る。 「…」 最初は戒めの為に残った傷、だが今は僕の歯止めになってくれた。 この手の痕に気付かなければ僕はどうしていたのだろう…殴っていたのだろうか。 それとも何故自首しないのか聞いたのだろうか… わからない、わからないが…今は帰るべきだ。 そう思って車を家に向けて発進させた。
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