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次の日。
仕事に行く前に零香からまた予約のメールが来た。
本当に良く店に来てくれる人だ、僕は店に行き予約を確認し零香に返信、零香の名前を予約表に記入し、ホール側の掃除を始めた。
「善、ちょっといいか?」
「ん?…どうした?」
ホールの個室席、掘り炬燵(こたつ)の中の埃を掃除機で吸い取っていると流也に話しかけられたので掃除機のスイッチを切り流也の方へ顔を向けた。
「今度の休みなんだけど俺の変わりー」
「嫌だ!」
僕は言葉の途中だが断った。
「いや、まだ言い切ってー」
「嫌だ!!」
そう、その休みの日は零香と遊ぶ約束をした日、絶対に駄目だった…。
「…ははぁん、零香ちゃんと遊ぶからか」
「っ!」
「やっぱり、善ちゃんが自分で休みとるのは初めてだったからな、何か気にはなってたけど…そうかそうか、わかった、じゃあ他の人に頼むわ」
「すっすまん…頼むわ」
きっとこの時僕は顔を真っ赤にしていたんだろう、流也がニヤニヤしながら僕の前から立ち去った。
しかしこれで遊ぶ当日に急に仕事が入ることはないだろう、そう思い一安心したのも確かだ。
仕事が終わり零香とメールをしていると遊ぶ日はカラオケに行きたいと言って来た。
僕はノリでいいと言ってしまったが女の子の喜ぶ歌が良く分からない…とりあえず流也に慌てて相談して女の子が聞いて色々喜びそうな歌を教えてもらった。
今日から歌う練習をしようと思う、流也は…。
「声質はいいんだから自信持て」
と言ってくれた、それを信じて練習しようと思う。
そう思って明日CDを借りに行くためにその日は早く寝た。
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