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大切に出会う前…………第一章
僕が16歳の高校一年の冬、父が交通事故でなくなった。
その事情もあり進学を目指す学校の中では数少ない就職組になり、高校卒業後ある居酒屋に就職をした。
「おはようございます」
最初は戸惑い、良く怒られたが3ヶ月たった今では何とかみんなについていけるようになった。
「オッス!!」
明るく挨拶を返してくれたのは僕と同期の出席頭の流也(りゅうや)、いつも明るく入社してから1ヶ月でこの居酒屋を任されている奴だ。
「オッス!!。」
僕も改めて流也に友達として、職場の仲間としての両方の意味での挨拶を返す。
「今日の宴会の事なんだけど…。」
そう言ってバインダーに挟めてある予約表、宴会の料理メニュー、人数などの書いてある紙を見せるてくる流矢。
僕と流也は同期の中でも特に仲が良い。
流也の元高校は酒を扱うバイトを禁止されている、…が、こいつは高校一年から学校に内緒でここの居酒屋で働いていた。
そりゃ出席頭にもなるだろう。
「………って言う形で行くから頭に入れといて」
「はいよ」
僕らは仕事が終わった後の深夜3時頃に良く遊ぶ、本当は休日に遊びたいのだがこの居酒屋のホールスタッフ社員は僕と流也だけだから二人同じ日に休むことはまず有り得ない。
重なるとしても売り上げが延びて定休日を作る時ぐらいだ。
その時は大体店の全員で飲み会になるだろう。
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