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「じゃあ開店するか」
「……」
「どうかした?善ちゃん?」
「流也…昨日の忘れ物の煙草どうした?」
「え?吸っちゃったけどどうかした?」
「その煙草忘れた客が店の前ウロウロしてる」
「…まさか取りに来たとか無いよな…煙草一箱を」
などと話をしていたら案の定その客が入って来た。
「いらっしゃいませ~」
2人でいつも通りの笑顔でお客さんに頭を下げる。
「あの~…昨日煙草の忘れ物ありませんでしたか?」
少し訂正、今現在いつも通りに笑う仮面をつけた内心冷や汗状態僕らが頭を上げた。
「昨日は忘れ物はありませんでしたよ」
……流也…そのスマイルで嘘つくなよ…。
「そうですか、……ハァ……困ったなぁ、本当にありませんでした?」
「どうかしたんですか?」
僕は本当に困っていたようなのでそのお客さんにそう質問した。
「いやぁ……じっ実は………。」
そのお客さんは昨日の煙草の中に取引先の人の名詞が入っていたらしい、何でも貰った時に名詞入れを忘れたとか…。
「…りっ流……」
おい流也…何故貴様既に後ろにさがっている。
「あの~……」
「はっはい!!」
…まっマズい。
「もしよろしければ見付かりしだい電話もらってもいいでしょうか…」
「あっはい、では……」
そう言って電話番号、名前を紙に書いて貰った。
…たっ助かった、これで何とかしのげたな。
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