ドラえもんがいない

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ドラえもんの布団がなかったのだ。 「どうして…?」 誰かがいた痕跡もない。 まるで、最初からドラえもんなんて、いなかったみたいに… 「ママ!」 僕は一階にいるママに聞いてみた。 「ねえ、ドラえもんがどこにいるか知らない?」 『ドラちゃんなら、ミーちゃんとデートよ』 そんなこたえを望んでいた。 でも、かえってきたこたえは… 「ドラえもん?何の事?」 僕は目の前が真っ白になった。 「う、嘘だ!嘘でしょ!ねえママ!」 嘘であって欲しかった。 『冗談よ』って言って欲しかった。 「だから、私はドラえもんなんか知らないわよ」 「っ…!」 そうだ、引き出しは…? 階段をのぼったり、おりたりと大変だったが、今はそれどころじゃない。 机の引き出し… タイムマシンがある場所… ゆっくりと引き出しを引く。 「………」
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