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キョウコが大きなため息をつく
「ユリコのやつ風邪ひいた
って言ってたけど
あたしこの前見たのよ
朝はピンピンしてたのに
急に咳こみはじめて
すぐ早退したんだけど
仕事帰りに偶然
あいつが合コンしてるの
見たのよ。どうせまた
仮病よ、本当ムカつく」
リエは目の前の書類を
見つめ次第にこみあげてくる
怒りに拳を握りしめる…
「いつもいつもこんな時に
かぎって友だち面して
私に仕事押し付けて…」
思い立ったように
立ち上がったリエは
トイレの個室に入り携帯電話を取り出すー
ピピピピ
あるところへ電話したリエは
受話器に耳をすませるー
すると受話器のほうから
信号が乱れる音とともに
聞きなれた男の声がした
「はい。こちら"怨み電話"で
ございます…怨みの御指名
ですか?」
「はい」
「承知しましたー…では
"竹沢ユリコ"で宜しいですね」
リエは一瞬、「なんで…」と
思ったが怨み電話のことだ。
すぐその疑問は解決した。
「はい。」
リエは大きく頷いた―。
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