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私が仮面をしている時に[次]が連れられてきた。私が[次]を見たら、相手は完全に諦めたような顔をした。
「いい心がけだ。さぁ吐け」
私は言った。無駄な手は汚したくないのだ。最近はよく拷問した奴らが夢に出てきて、私を罵倒し、呪っていく。しかし、それも私の宿命なのである。だが私は自分が悪いとは微塵も思っていない。
[次]はぽつりぽつりと喋っている。
「…………そしたらな、頭の中で幼い女の声が聞こえたんだよ。逃げ道を教えてくれてな。だがもうそこは押さえられていて、そしてここだよ、ちくしょう」
私はひっかかりを覚えた。確か私の頭の中で聞こえたのもまだ大人になってなさそうな声だ。
「少し私情を挟む。その幼い女の声っていうのは……」
私は声の高さ、何を言ったかなどを訊いた。相手は首を縦に振るばかりだった。
「分かった、行っていい」
私は扉1枚を隔てて外にいる警備を呼んだ。その警備はすぐに入ってくる。
「なぁ、俺は殺されるのか、おい?」
「私の一存だな。だから言葉遣いには気を付けろ。まだ使えそうだから殺しはしない」
そう私が言ったら、男は連れていかれた。私は考えずにKの所へ行った。
「そうか、分かった。早速[次]の話なんだがな、少し事情が違うのだ」
「どのような?」
「尋問なのだ。拷問ではない、それに少女だ」
「少し勝手が違いますな、少女を尋問するということは」
私は腕を組み、あれこれと方法を考えた。
「殺してはならん。私の研究材料なのだ」
Kの事情など知ったことじゃない。ただ面白そうなだけだ。
「明日の朝8時から始めましょう」
時刻は、もう21時を回っていた。
「分かった。じゃあゆっくり休め」
私は直立し敬礼して、部屋へ戻った。
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