帰り

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 帰り

貴方を思って送り出した 貴方を想って口づけた 貴方を念って祈ったのに  さよならは言わないよ 在り来りな台詞 理由はけれどベタではなくて また会えるから出て行った また逢えるから言わなかった また遭えたから解放された また合えたから道は続いた また和えたから、混ざり合った 五感も意味を為さない魂の域で 貴方と一つになって知った 生きてまた会えるから 言わないのではなくて 家を出ると言ったその時から 魂で逢いにくるために 言わなかったのだと それはどうにも 単なる道連れでしか なかったけれど それでも忌みを成さない 私の思考回路は 貴方と完全に 同化できたのだろうか
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