夢のなかでは一緒に居たい

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「ほら、圭人」 俺の頬に知念がそっと触れてきた。 「ひっ…!」 「圭人がほんとに僕のこと好きなら、いいよ」 知念は制服のネクタイをするりと解いた。 俺は生唾を飲み込んだ。 ――知念が…手の届くところにいる。 そう思ったら、俺の持ち合わせている理性では本能を押さえることができなくなった。 「知念…俺は知念が大好きなんだ」 「ふっ…」 知念の唇に口づけると思ったよりも冷たかった。その感覚さえも俺の中に残る僅かな理性を削り取って行く。 知念のワイシャツのボタンをはずしていくけど、手が震えてなかなか次を上手くはずせない。 「震えてる…怖いの?」 クスクス笑いながら知念は俺のワイシャツのボタンを意図も容易く外す。 「怖いよ…知念が壊れちゃいそうで…」 「壊れないよ。僕はガラス細工みたいに壊れ物ラベルをベタベタ貼らなきゃならないほどデリケートじゃない。それに…」 「?…っわ!」 知念が俺の素肌に吸い付いてきた。 「圭人が思っているよりキレイじゃないよ」 ニヤリと笑い、知念は自分で自分のボタンを外した。 そこには… 「なに、それ…」 「キスマーク。見たらわかるでしょ?」 「誰にこんな…」 「山ちゃん」 サラッと、さも当たり前のように表情ひとつ変えずに答える知念を見るのがつらかった。 「(やっぱり、知念は山ちゃんのことが好きなんだ…)」 「圭人、よからぬこと考えないでよ。」 ――僕には圭人だけだよ―― ずっと、ずっと聞きたかった言葉を耳元で囁かれた途端に、俺は知念の陶器のように艶やかでなめらかな肌に唇を寄せた。 「っ…!けぇ、とぉっ」 「もう、止めてって言っても止められないからっ」 「んっ…ふぅっ!」 コクリと知念は頷く。知念の声も動作も、すべてが愛しくて、やっぱり俺は知念が好きなんだと五感全てを通して感じた。 「ひあっ!」 「知念、知念っ」 もう、俺の中に理性なんてものは一握りもなくなった。
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