第一章

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が、次の瞬間、勇の懐に祖父が飛び込みその胴に斜めに木刀が添えられていた 勇「・・・」 祖父「うむ、今日の所はこれまでとしよう」 その一言で勝負あり。二人は向かい合って一礼し、稽古は終了。二人は木刀を元あった場所にしまうと 祖父「勇が我が疾風天剣流を学び始め、早17年。そろそろこの流派の技の修練に入ってもいいころじゃな」 勇「ほんとですか?」 その言葉に祖父の方に目を向ける勇。その目には期待の色がはっきりと浮んでおり 祖父「うむ。故に今日の稽古でも技を一つ使って見せたのだ」 勇「もしかして、最後のあれですか?」 勇の言うあれとは、手合わせの最後、勇が祖父の背後に向けて突きを放った直後に狙い済ましたかの様に、祖父は身体を回転させつつ勇の突きを避け、その勢いのまま勇の胴に木刀を添えた 祖父「うむ、あれは疾風天剣流『旋風斬』と言い、一瞬だけ相手に背を向け攻撃を誘い、それを避けて相手の懐に飛び込み上に斬り上げる。返し技の一つ」
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