月明かりと金属に支配された戦場

3/3
前へ
/99ページ
次へ
大砲でも撃ったような大きな音が、辺りに響いた。 反動が彼女を襲い、数センチ後ろに下がった。思わず岩場から転がり落ちそうになる。 前を見ると、巨人の真ん中に大きな穴が空いている。 巨人は、ギシギシと嫌な音を立てながら崩れ落ちた。 その様子を見て安心した少女は、脚の力が抜けたのか、その場に膝をついた。 慣れてるとはいえ、やはり16歳の少女が戦うという事は身体的にも精神的にも無理がある。 下手をすれば死んでもおかしくはないのだ。 しばらくして少女は立ち上がった。 そして岩場に隠していた自分の荷物と革製の巨大なホルスターを取り出した。 ホルスターに銃をしまいそれを背負うと、体の前、鳩尾の辺りでベルトを締め、しっかりと固定する。 それから右腕で麻袋に入った荷物を持って、その場を後にした。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加