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某県某所………。
穏やかな川の畔に建つ、市内でも有数の総合病院。
「………退屈だ。」
病室の窓から眺める景色は、見慣れた街並み………。
そして、変わる事の無い川の流れのみ。
「昨日も今日と変わらない。………明日も同じだろうね。」
誰かに向けて放つ言葉では無い。
自分……いや、自分の中の寂れた心に声を掛けているのだろうか。
「……………。」
下らない。
そう思い、窓から離れようとした瞬間………
ふと、病院の前を元気に走り抜ける、3人の小学生の姿が目に映る。
「………何も知らない、無邪気な子達だ。」
クスッと笑みを零し、再び窓辺に近寄る男。
その時、男と同じく、小学生の子達を見つめる者の存在が眼下に居た。
寝間着姿で呆然と立ち尽くし、母親と思われる女性に手を引かれる少年。
「………いや、あの子は違うな。」
羨ましそうに、同世代の子達を見つめる少年だけは……男にとって、自分と同類なのだと感じられる。
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