その壱

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吹雪はますます酷くなり日本はとうとう一歩も進めなくなった。 日「どうしましょう。家に帰れません」 日本が諦めかけたその時… 日「ん?」 日本がふと横を見ると脇道があった。その先には明かりが一つ。 日「ちょうど良いところに人家がありました」 日本に選択の余地は無かった。日本は今来た道の横道に入り明かりの方へ行った。 近づくとその家は横にL字形に曲がった奇妙な家と気付いた。 日本がその人家の横開きの扉を叩いた。扉はすぐに開けられ中から日本より少し背が高い黒髪黒目の青年がいた。メガネをかけ、短く切り揃えた髪を少しだけ後ろでしばり陶芸家がよく着ているモンペみたいな着物を着ていた。 日「夜分遅くすみません。吹雪に遭いまして…どこでも良いので休ませてくれませんか?」 青年 「それはお困りでしょう。どうぞ中へ」 日本は青年の家に泊まることになった。
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