love.1

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「ついでに子供もできちゃった」 水輝は何がそんなに嬉しいのか、ヘラヘラと笑っている。 バンッ! 私の中で何かが切れそうな気がして、テーブルをおもいっきり叩きつけた。 「信じらんない!突然の家への呼び出し!何かと思ったら結婚する!?」 やり場のない怒りが込み上げてくる。 怒るなんて思ってもいなかったのか、目を丸くして驚いている両親と兄。 彼女・朱夏さんは動じてすらいない。 「私は反対よ!認めないんだからぁ!!」 俗に言う捨て台詞を吐き、実家を飛び出した。 流れる涙を拭おうともせず、自分のマンションではなくある場所に向かって走る。 不思議そうに見てくる通行人なんて気にしてられない。 水輝がどんどん離れていく寂しさが耐えられなかった。 私1人だけ置いてきぼりにされてるみたいで… お兄ちゃんは…どんどん離れていく… バンッ! 目的地である5階建てマンションの1つのドアを勢いよく開けた。 この部屋の住人は家にいる場合、夜以外鍵がかかっていない。 なんとも不用心。 「楓~!」 「泉水?どうしたの?入ってきなよ」 高校からの親友・三本楓(ミモトカエデ)の声は、部屋の奥から聞こえた。 「聞いてよぉ!水輝のヤツ結婚するって!」 靴を脱いでズカズカと上がり込みながら怒鳴り散らす。
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