第壱章:撃てない軍隊

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ECM(Electric Counter Major・電子的対抗手段)はもはや日本に対する攻撃とも取る事ができる行為である。 テレビが映らなかったり、携帯電話が繋がらなかったりするぐらいならまだ良い。 ECMの真骨頂は敵の無線の妨害、レーダーの無力化である。 飛行場や、航空管制室のレーダーを妨害されれば、その被害は計り知れない。 飛行機の発着が遅れるばかりか、悪くすれば空中衝突等の事故も起きかねない。 こちら側も、無線やレーダーの周波数を適宜変えるが、相手側もジャミングの周波数をそれに合わせて変えてくる。 自衛隊も、ECCMによって対抗を試みる。 まさに現代戦。 日常的に電子戦が行われているのだ。 反自衛隊の民間人とは都合の良いもので、平時では自衛隊への文句を言ってるクセに、いざとなると「なんとかしろ自衛隊!」と言い出す。 今自衛隊が無くなると日本がどうなるかなど想像に難(かた)くない。 そのため、「米軍撤退」「自衛隊廃止」などと今までうたっていた団体は影を潜めてしまった。 中国、韓国、そして北朝鮮が日本に対抗意識を持っているのは火を見るより明らかだ。 韓国は竹島だけでは飽き足らなず、対馬の領有権も主張してきた。 政府は対馬周辺に巡視船を派遣し対応した。 08月 中国は引き続き尖閣諸島の領有権を主張していたが、ついに魚釣島に観測施設を建設し始めた。 観測船だけならば海保の巡視船でも対応できたが、中国は軍艦までも投入してきたので、日本は手が出せないでいた。 日本は武器を撃つ事はできない。 国際的な問題もある。 日本国民の生命が危険に晒され、政府が「侵略」と判断しなければ反撃はできない。 取り分け、魚釣島は無人島なので、日本国民の生命は危険に晒される事は無い。 国民はやっと、日本の憲法9条の問題点と国防に意識を向け始めた。 世論は、憲法9条改正の気運が高まり、2011年10月、政府は憲法9条改正草案を国会に提出した。 第壱章:終
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