第弐章:新なる門出

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「NAHA ground JAY-OCEAN 3601 spot 10,request push-back」 『那覇グラウンド管制、スポット10に駐機している日本トランスオーシャン航空3601便です。プッシュバックの許可をお願いします』 「JAY-OCEAN 3601,push-back uploabed runway 36.QNH 3015」 『日本トランスオーシャン航空3601便、プッシュバックを許可します。高度計規制値は3015です』 トーイングカーが接近し、機体をゆっくりと押し出していく。 タキシング開始位置に付きトーイングカーの離脱を確認、管制塔にタキシングの許可を仰いだ。 問題無く許可が下り、3601便は誘導路をゆっくりと進みだした。 同時刻 嘉手納国防空軍基地 「エマージェンシー!!緊急発進急げ!!」 アラート待機要員が間髪を入れず動きだす。 指示灯はS/C、ホット・スクランブルだ。 だが、何か様子が違う。 パイロットがコクピットに飛び込むと同時に状況説明の無線がレシーバーから聞こえてきた。 「公海上空のJAPANESE AIRFORTH 001より、秘匿回線にて救難信号を受信!!同機は中国軍機に追尾されつつあり!レイピアは直ちに発進し護衛及び監視任務に就け!!高濱一尉、発砲は許可できない、了解か?」 「了解」 「JAPANESE AIRFORTH 001」とは、日本国政府専用機のコールサインだ。 国防空軍部内では「特別輸送機」と呼ばれる。 任務外の行動時(訓練、移動等)のコールサインは「CYGNUS(シグナス) 01」と呼ばれる。 政府専用機には予備機である二番機(JAPANESE AIRFORTH 002/CYGNUS 02)が常に随伴し行動している。 今回は首相と中国国家首席との会談の帰りであった。 計器チェックを一部省略し、直ぐさまエンジンを始動する。 機体にはAAM-5が2発装備されているようだ。 ミサイルの安全ピンが抜かれ、パイロットは最終チェックをしてタキシング許可を要求する。 「RAPIER with 2 flight,request taxi, scramble.Information Q」 「RAPIER flight,cleard to taxi runway 23L.QNH 3015」
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