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目標編隊のすぐ右で、八島三佐は実行を報告すると操縦桿のトリガーを引き絞った。
主翼付け根のM61 20㎜バルカン砲がモーターの駆動音を伴い唸りを上げ、曳光弾が空中に線を描く。
またも無反応かと思いきや、目標編隊は同時にエアブレーキを起て急減速。
高濱は急に自分の目の前に迫ってくるので、慌てて急上昇し回避する。
(応じたのか?)
八島は一瞬そう思ったが、それが間違いだと気付くのにさしたる時間は必要無かった。
後方から曳光弾が自機の左を飛び抜けて行ったのだ。
「エルボー・ワン、目標は当機に向け機銃を発射!」
「確かかエルボー・ワン!?」
「確かだ!!攻撃許可を求む!!」
「貴機は無傷なのだな?」
「被害無し」
「ならば反撃は許可できない。強制着陸させよ」
「何故だ!?」
「貴機を攻撃する意思があったのかが定かではないからだ」
そう言ってる間に目標は再加速。2機を一気に追い抜いていく。
「ナロッ!!……ナメてやがるな!ソード!続け!」
「了解!」
(ヤローめ、沖縄本島まで飛ぶつもりか?)
八島はまさかと思いつつも考えた。
だが既に沖縄本島は視界に入っている。
一刻の猶予も無い。
八島は英語で、厳しい口調で、漫然と飛行する中国軍機に再び語りかける。
「最寄の飛行場へ誘導する!減速、ギアダウンせよ!指示に従え!さもなくば実力を行使する!!」
「……自衛隊か。貴様等に何ができる……」
(何だ!?)
突然中国軍機が極微弱な電波で八島に英語で交信してきた。
「どうしたんです先輩!?」
どうやら高濱やGCIには聞こえてないらしい。
すると突然中国軍機は減速しつつ急上昇、そのまま1機がロールし背面降下の体勢に入った。
「先輩っ!ブレイク!ブレイク!!」
八島は操縦桿を右に倒し回避を試みたが間に合わず、数発の30㎜弾を被弾してしまう。
「エルボー・ワンよりGCI!攻撃を受けた!機関砲数発を左翼に被弾!!正当防衛により反撃する!!」
「待て!八島三佐!!」
「ELBOW 1, engage!」
『エルボー1、交戦!』
「E,ELBOW 2 engage!」
『エ、エルボー2、交戦!』
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