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『そ、そんなことありません!
1つの世界が消えると空間の調和が崩れて大変面倒なんですよ。
滅亡しそうな世界はいくつもあります。そしてその世界ごとに最も適した人材を送り込み、対処をしているのです』
「神様も大変なんだな……」
『そうなんです。それで、行ってきてくれますか?』
どうする。話は現実離れし過ぎて夢じゃないかと思いもする。
だが意識があまりにもはっきりしている。
だとすれば俺は死んでいて、この話は本当と信じるしかない。
「そうだな……行くよ。
別の世界ってのに興味がある」
もしかしたら俺の日常は、これで変えられるかもしれない。
生き返るとかは二の次でいい。
『どもです。ありがとうございます。
どうぞ、これを持って行って下さい』
腕時計と手のひらサイズの一枚の厚紙を渡された
時計はベルトがシルバーで文字盤は黒を基調としている。
試しにつけてみると、不思議と腕にしっくりくる。
しっくりきすぎて取れないまである。
「っておい。つけてみたらこの腕時計……腕から取れないんだが」
『その腕時計は危険を予知する能力が備わってます。
世界を無事救った時、その時計は腕から外れます。
その本の方はおまけなんですが……ついでに連れていってあげてください。助けになるかもしれません』
なぜか今まで説明された諸々よりも、腕時計がもう外れないことにかなり衝撃を受ける。
しかし常に流されて生きてきた俺としては、こんなことでうろたえてはしないのだ。
「な、なるほど。この紙っぺらは本なのか?
両面、驚きの白さなんだけど用途を詳しく」
『ではそろそろ飛ばしますね。
頑張ってきて下さい』
「え、なになにもう行く感じ?
紙については割愛すらなしってもう無視じゃね
おいちょっと」
『はい。じゃあ行ってらっしゃい』
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