Prologue

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エミリーは、所謂箱入り娘というものだ。三大貴族の一人娘ながらにして、ほとんど社交の場に出ない事が一部では知られている。 だから、大体の貴族なら頭に入っている俺も一目では分からなかった。 レン「ああ。それがどうした?」 エミリー「昔、幼い頃に社交の場に出た事があるんですが、その際に私に取り入ろうとする人達が怖くなって、家庭教師に来てもらって学校に行っていなかったんです。  だから、同い年の友達は居なくて、一人の女の子として扱われたのは初めてだったんです。」 最後に、「嬉し涙です。」と微笑みながら付け足した。 可愛いんだけど、そんな奴、マジで居るんだな…。 レン「そうか。俺の名前はレン・クラウディスだ。友達からよろしく。」 エミリー「はい、存じておりますよ。この国でレン様の事を知らない人は居ないかと…。 後、先程から話しにくそうにしていらっしゃいますが、お友達なら話し易い話し方でよろしいですよ?」 なぜ、友達「から」なのかと疑問に思いながら問い掛けた。
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