頼りなき希望

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あの小さな村を出て、早三年あまりにもなる。その間、俺はたくさんの町や集落を回り、武器を売ったりその地方でしか手に入らない珍しいアイテムを入手し、商品としたりしていた。 その旅の道中で、俺は1人の男と出会った。 『あんた、名前は?』 という俺の問いに、男は 『答えられない』 と返した。余計な詮索はしない主義なので、他の質問をしようと、 『職業は何をやっているんだ?』 と聞いたら、男は『勇者』と、返しやがった。初めは嘘かと思ったが、そいつの放つ雰囲気を感じ、やがて、こいつの言っていることは本当なんだな、と思うようになった。 実際、実力も相当のもので、大悪魔サタンが産み出した四体の魔物の中の二体を、この男は倒していた。 俺は、こいつが気に入った。そして、こいつを俺の商売の御得意様にしてやろうと決めた。
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