ふわり、ホワイトクリスマス

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健児も熱気球が好きで、私よりも好きで、あーこんなところで見掛けたら健児は私を置いて駆け出すだろう。 そんなコドモっぽい健児も嫌いじゃない。むしろ可愛くて好きだった。 「はは、ばっかみたい」 別れるかもしれないのに、考えるのは健児のことばっかりだ……。 信号待ちの度に空を見上げる。自分の吐いた息がモコモコと上がり、再び現れた熱気球に掛かる。 寒いのに、何故か暖かく見えて、思わず両手を熱気球に翳してみた。 その淡い光に健児と2人でいる幻想を見る、マッチ売りの少女みたいに。 健児……。
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