プロローグ

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ここでは、というよりこの世界では16歳を迎えると成人したとみなされる。 そして、そこでみるのだ。そう遠くない未来、一生を添いとげるであろう、運命の人を…… 鏡が映し出す運命の相手と結ばれれば、その人は幸せになれる… 実際に鏡に映った人と結ばれたお母さんは、何不自由なく暮らすことができた。 何も心配することはない。鏡に映った人を捜せばいい。 それは幸せを約束されたも同然だ。 だが、少女はそれが気にいらなかった。 自分達の意志はどうなるのだろう… 鏡に運命を決められるなんて、少なくとも少女は嫌だった。 そう考えれば、自分の映っている鏡に誰も映らないのはいいことかもしれない。 けれど、自分以外の少女達には運命の相手がいて自分にだけいないというのは何だか悔しかった。 だからこうして、誕生日が過ぎてしまった後も何度か教会に来ているのだが、結果は見ての通り…
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