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自分の手の熱で温かいのか、彼の手の熱で温かいのか、手を触れた所が熱い…
少女は胸の鼓動が高鳴るのを感じた。
その瞬間、目の前が白い光に包まれた。
正直に言えば、少女自身も別の時空なんてものは信じていなかった。
力説していた母の手前、非難することが出来なかったのかもしれない…
大好きだった母の、悲しみに沈んだ表情を見るのは耐えられなかった。
だからこそ、母の形見であるこの鏡を身に付けることに決めた。
姉はひび割れたこの鏡を気味が悪いと毛嫌いしたけれど…
今さらあんな人に考え方を左右される必要も無い。
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