一家の朝

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「…ったく、お前等なぁ~…」  布キレを掴み、手早く縫いだす。  桃華と蒼慈はキョトンとした顔で緋色を見つめる。  「ひーにぃ…?」  声をかける桃華に、緋色は軽く追い払うように、手をひらひらさせて  「…余計な気を回すんじゃなぇよ。こんなんやったって、暇つぶしにもなりゃしねぇんだよ。 飯が冷めるから早く下りろ。」  二人は申し訳なさそうに立ち上がり、部屋を出て行く。   その後を、翠、藍の塊を引き摺る緋色がつづく…    「「「…え?」」」  桃華、蒼慈、翠が慌て振り向くと…器用に雑巾×2を指先で回す緋色。  
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