憧れの女性(ひと)

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「今朝もいるかな?」 林原健一は駅の階段を降りるといつものように憧れのひとを探した。いつも同じ場所から乗り込むそのひとは、いつものように携帯を見ながら電車を待っていた。林原はそれを確認するといつものように彼女の少し後ろに立ち、文庫本を読み始めた。 チラチラと彼女の後ろ姿を見ては本の続きを読む。電車が来るまでの毎朝のほんの短い時間の光景である。
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