第 三 章

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その満足げな顔が少し憎らしい。 彼は丁寧に包装を解き、チョコを食べ始めた。 結婚して四年、毎年バレンタインデーに彼は、私からのチョコだけを食べる。 女性社員からの義理チョコは貰うだけ、それを食べるのは毎年私。 「美味しい?」 問い掛ければ、蕩けるような甘い眼差しで私を見つめ口づける。 「旨い?」 少し意地悪い顔をして問う貴方が好き。 バレンタインデー、 それは、毎年貴方の愛を感じる日。 これから先も、バレンタインデーに貴方が食べるのは、私のチョコだけでありますように…… 愛してますよ。 私の旦那様。  
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