第 一 章

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ぎゅっと制服を握る手と、精一杯の背伸びで俺に応えようとする彼女が好き。 だから、俺はわざと少ししか屈まない。 身長が伸びたら、君はこんなキスしてくれなくなるだろ? だから、そのままでいいよ。 小さい君のままがいいんだ。 そう言ったら、君は怒るかな? 今以上に身長が伸びるように頑張るかな? このキスが出来なくなると困るから、君には絶対教えない。 これは、俺だけの秘密。 ずっと小さいままでいてね。 小さい君が好きだよ。 「それで、何で小さいままがいいの?」 キスで誤魔化されなかったのか…。 「ねぇ、何で?」 「………可愛いから。」 頭を撫でれば、彼女は恥ずかしそうに俯いた。 小さくなくても、俺は君が好きなんだろうな。 君だから好きなんだ。  
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