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隣を歩く彼の横顔を眺めていれば、ふと彼がこっちを向いた。
「何?」
「…好きだぁって。」
勝手に口から零れた言葉に、彼は驚いた顔をした。
そこで気付いた、自分が言った言葉。
私、何言っちゃってんのっ!
うわっ、はずっ!
顔が熱くなる。
彼の顔が見れなくて俯けば、隣から彼の声。
「照れるぐらいなら、言わなきゃいいのに。」
そう言う彼の声は優しい声。
「…だね。」
でも、勝手に口から出ちゃったんだもん。
「…嬉しいけどね。」
「え?」
小さく呟かれた言葉に顔を上げれば、照れたように笑う彼の顔。
「ごめん、あんまり見ないで。」
照れた顔を隠すように、顔を背けた彼に思わず笑みが零れた。
「照れるぐらいなら、言わなきゃいいのに。」
そう言った私の声は嬉しくて弾んでいた。
「でも、嬉しかっただろ?」
笑顔で問う彼に頷き返す。
好きって勝手に口から出たのは、好きな気持ちが溢れちゃったから。
「大好きだよっ!」
恥ずかしいけど、言いたくなっちゃう。
それが、好きって言葉。
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