プロローグ

2/3
前へ
/3ページ
次へ
雨は嫌いだ。 鬱な気分が増すからだ。 俺の休み時間の使い方は、ライトノベルを読んで過ごしている。 今日は雨だ。 外で遊びたくて疼ってるやつらが、教室でチャンバラをやっている。 ――うるさい。あと数日で卒業だぞ……自覚あんのかよ とは思っても口には出せない。 ボコラレルノが目に見えている。 俺にだって、友達がいないわけではない。 ちゃんと『普通』の人間と同じように過ごせている――――はず。 「よ、岩瀬!」 そう声をかけてきたのは、保育園の頃から一緒で、なぜだか高校まで同じという、金子孝明だ。 「なんだ、金子か。いまいいとこなんだから話し掛けないで」 「なんだとはなんだ!せっかくこの俺様が声をかけたのだぞ?有り難く思えよ~」 「うるさい」 「なんだなんだ?今日はノリが悪いぞ?いわちゃん」 ったく、あいつらと同レベルかよ………。 駄目だ!教室から出よう。 そう思い、席を立つ。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加