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俺の案外ピュアなハートを沙和達にずたぼろにされてちょっと落ち込んでいると戦が始まったのか、兵士の怒号や鉄がぶつかる音が響き渡る。
「おっ旦那、始まったよ?」
「でもほんと、袁紹の軍は馬鹿みたいに数が多いから面倒ですねぇ」
丘に隠れてひっそりと話す刹那と揚羽。確かに数は多いが……。
「しかしこちらの方が質は上だ。見れば動きの違いがよくわかる」
「でもなぁ、やっぱりこう数が多いと疲れるっちゅうもんやで」
凪の言うことは確かにそうだ。しかし真桜の言う通り、確実に疲労は溜まっていくものだ。こればかりはどうしようもない。
「だが、そのための我らぞ。霞が兵糧庫を落とし次第すぐに出て皆の負担を一気に削ぐ。余裕ぶってるあの馬鹿に目にものを見せてやれ」
「「「はっ」」」
俺が言うと静かに返事をする皆。後は策通りに霞が頑張ってくれるのを見ていくしか出来ない。
霞がどれだけ早く落とせるかでこの戦の勝敗が決まると言っても過言ではない。
さて、霞は上手くやってるのかな?
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