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「ここには学ぶべき事が多い。個で動いているはずなのに皆が動き、皆が動いているはずなのに個が違う動きをしている。それに自然と互いの死角を守っている。私はこんなに統率が取れ、それでいて自由な軍を今まで見たことがなかった」
驚いた様に言う怜蘭はまるで新しい玩具を目の前に遊びたくてうずうずしている子供のようだ。
そして俺の方を向いて目を見て言う。
「主殿。私はこの戦い方を学びたい!将としてではなく、一人の武人として!」
怜蘭を鬼兵隊に加えるにあたって霞や詠、そしてねねに怜蘭の事を聞いていた。
そして彼女達が口を揃えるのは良く言えば勇猛果敢、悪く言えば猪突猛進。いわゆる馬鹿。ただプライドは高く、すぐキレる。
だからこそ今までの怜蘭を知っている者であれば必ず目を見張るほどの成長だろう。
プライドの高い彼女が武人として俺みたいな奴に頭を下げているのだから。
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