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戻ってくる刹那達はどことなくダルそうだった。何故に?
「あぁ、旦那。只今戻りやした」
「うむ。して、奴の首は?」
討ち取ったなら討ち取ったで持っているはずの首を韓碌達は持っていない。それどころかやり合った感じもない。
俺が疑問を持っていると揚羽がため息をつきながら答えた。
「はぁ……私達が到着した時はすでに本陣はもぬけの殻。いたとしても雑魚ばかりでつまらなかったです」
「そうか……む?霞は?」
着けていた面を外しながら言う揚羽に苦笑しつつも一緒に行ったはずの霞がいないことに気づく。
「あぁ、霞姐さんならまだ近くにいるかも言うて探しとるで?まぁ隊長にあれだけ意気込んでったからなぁ。悔しいんちゃう?」
黒覇に乗ったままの俺の足にもたれ掛かりながら気だるそうに言う真桜に労いの意を込めてわしわし頭を撫でながら俺も面を外す。
なんかこれ俺の癖みたいになってきたな。真桜惚けた顔であぅあぅ言ってるけど無視。
嬉しそうだから。
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