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「合同訓練?」
とある日の昼時のこと。
やるべき政務を終えた俺に昼飯にと月が作ってくれた飯を食べ、デザートに杏仁豆腐を口にしていた俺に連絡が、と入って来た稟と風が言った。
月はにこにこしながら俺の膝の上、詠はムスッとして向かいの席に座っているが別段構わないだろう。
「はい~、そうなのですよお兄さん」
「先の戦で勝利は収めたものの、私達とて被害は多く出ています。しかもそれからしばらく経っていますから……」
「戦力強化と現在の状態確認。そして気を引き締めようということか?」
稟の言葉を杏仁豆腐をパクつきながら聞いていた俺はそんな答えにたどり着く。
確かにあの戦からしばらく経ち、俺達は今のところ他に戦という戦はしていないし、する様子も無い。もちろん訓練はしてるが。
となるといくら訓練をしていても気が緩んでしまうのが人間というもの。更に袁紹の軍勢を吸収した俺達魏はかなりの手勢になった。ならば引き締める他あるまいて。
「まぁそんなところですね~。他国に攻められて気が緩んでました~じゃすみませんからねぇ~」
「それにこれは華琳様直々の言葉でもあります」
風のごもっともな意見に頷く。元々魏にいた兵士達は別にしても、袁紹のところにいたやつらには現在春蘭の手で再教育がなされている。俺も時々手伝うが、まだ時間がかかるだろう。
それにしても華琳直々か、こりゃ気をいっそう引き締めないとな。
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