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―東軍―
夏彦達が戦法の話をしている頃、同じく東軍でも話し合いが行われていた。
「へくちっ!」
「どうしたのですか春蘭様?風邪ですか?」
「そんなわけあるかいな凪ぃ~。春蘭様やで?」
「それはどういう意味だ!」
からからと笑いながら言う真桜に春蘭が怒鳴る。周りの他の武将も苦笑いで見ているが、桂花が許すわけもなく。
「ちょっと!うるさいわよあんた達!それに春蘭!あんたは絶対に風邪ひかないから大丈夫よ!」
「当たり前だ!華琳様の剣たる私が風邪をひくわけがないじゃないか!……ん?何かひっかかるような……」
「気のせいよ」
鬼気迫る顔で言う桂花に思わず止まる春蘭。そして桂花はどうも納得していない春蘭を見るが無視して話を進める。
「とにかく!この戦、絶対負けられない!これに全てがかかってると言っても過言じゃないわ!皆死力を尽くして戦うのよ!いい!?」
「おぉー!!」
「真桜ちゃん凪ちゃん、これって訓練じゃなかったっけ?」
「沙和、今のこの人達に何を言うても無駄やと思うで?」
春蘭一人は張り切って返事をするが他の武将はそこまで乗り気ではなかった。正直言って、西軍に夏彦がいるためにほとんどなげやりな状態だ。そこで桂花は。
「あなた達、忘れてない?ここで良いところを見せれば好きなものが手に入るのよ?」
「「「はっ!」」」
物でつった。するとその場のほとんどの武将が雷にでもうたれたような顔になり、目に見えてやる気が上がったように見える。秋蘭や華琳が見ればため息をついていたことだろう。
「それじゃ改めて……いくわよー!」
「「「おぉー!」」」
そこから少し離れた所にて。
「いいかい季衣。欲に突っ走った人間の末路をよーっく見てろよ?」
「あはは……うん」
刹那の言葉に、季衣はしっかりと頷いた。
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